こんにちは、ゴロ―です。
皆さんは「名古屋シティハンディマラソン」という大会を知っていますか?
毎年10月に名古屋市で行われている大会で、昨年(2019年)で35回目の開催となる大会です。そんな35回目となる昨年の大会に参加してきました。
障がい者や子供を中心に、名古屋の中心地を走ることができるという、贅沢な大会です。この記事では、実際に参加した中で感じたことや、大会概要などをお伝えしていきます。
Contents
名古屋シティハンディマラソン大会とは?
大会の趣旨・特徴は?
子供を中心に健常者の方も参加していますが、基本的には障がいのある方を主役とした大会という印象を受けました。
1984年から始まった大会で、2019年の今年で35回目の開催となります。私自身が生まれる前からこういった大会が開かれていたというのは、単純にすごいことだと感じます。
というのも、この大会が始まった当時は、まだまだ街中のバリアフリーも進んでいない時代ですし、公共交通機関にも気軽に乗れたわけではなく、障がい者が街に出るということは非常に困難な状況だったからです。
そんな状況を変えていきたいということで始まった施策の1つが、この大会である、ということになるわけですね。
そんな想いがあるからこそ、名古屋市の中心地である栄の街中で開催されているわけです。このマラソン大会は、障がい者も社会の一員であるということを、街行く人に気付いてもらうための社会啓発活動でもあるということです。
素晴らしい趣旨の大会ですよね。確かに、あれだけ多くの車いすに乗った人を栄の街中で目にするというのは、少し異様な光景にもうつります。しかし、そんな不思議な光景だからこそ、目にした方の印象に残るのではないかと思います。
今年で35回目でありながら、私自身も今まで目にしたことが無かった(何度も通ったことがある場所ですが)ですし、こういった大会が行われていることすら知りませんでした。大会の歴史を積み重ねていくことで、啓発活動になると思いますので、1人でも多くの方に何かを感じてもらえる機会になると良いなと感じました。
大会会場の様子・雰囲気は?
こういった趣旨の大会となりますので、同会場であるオアシス21にて、「障害のある人もない人も風に吹かれて交流ひろばin栄」と題して、障害者に対する啓発イベントが同時開催されています(写真は上から撮った様子)。
こちらのイベントも毎年同時開催されているそうで、むしろマラソン大会よりも歴史は長く、2019年で39回目の開催となります。
青空市や将棋のコーナーがあったり、車いすの人はできませんが、健常者向けにスラックライン・ボルダリングの体験コーナーなどもありました。
※詳細はオアシス21ホームページ参照:https://www.sakaepark.co.jp/events/2637/
また、障がいのある方で構成されている有名バンドである、「ダッキーアクソン」・「サルサガムテープ」のステージライブも開催されていました。
本会場では、名古屋のラジオパーソナリティとして有名な「矢野きよ実」さんを迎えて、盛大な開会式も行われ、種目ごとに分かれて、多くの選手が参加していました。
実施種目・参加人数は?
1、電動車いす使用者 → 1周(定員30名)
2、介助を必要とする車いす使用者 → 1周(定員40名)
3、車いす使用者(自走) → 1周(定員30名)
4、1~3以外の障がい者及び一般・子供 → 1周(定員160名)
5、1~3以外の障がい者及び一般・子供 → 4周(定員40名)
種目のクラス分けは、上記5種目に分かれており、車いす使用者だけでも3種目に分かれているのは、他の大会ではあまり類の見ない大きな特徴です。
1周約700mのコースということで、一番長い距離を走る種目でも、約2.8kmということになりますので、持久力だけでなく瞬発力も求められる大会といえると思います。
また、この大会のテーマの1つに、国際交流というものもありますので、タイやバングラデシュなどの国から、8名の招待選手も参加されています。
大会概要
【第35回名古屋シティハンディマラソン】
〇開催日:2019年10月14日 (祝) ※例年10月のどこかで開催
〇会 場:オアシス21 (緑の大地)
〇コース:久屋大通公園(周回コース)
〇参加料:無料
〇表 彰:各種目3位まで
〇完走賞:有り(各自で記入式)
〇参加者:選手300人程度(ボランティア600人程度)
〇主 催:名古屋市・障害者と市民のつどい拡大実行委員会
〇支 援:中警察署
〇協 賛:タイホウグループ
〇後 援:東海ラジオ放送株式会社・愛知県・アジア障害者支援団体他
コースの特徴・雰囲気は?
名古屋テレビ塔を中心に周回するコースであり、名古屋のど真ん中を走ることができるコースとなっています。
下の写真はスタート直前のものになりますが、なかなか緊張感が伝わってきますよね。そして、名古屋をあまりご存じない方でも、写真を見ていただければ、大通りをコースとして使用していることが分かっていただけると思います。
大通りの車道を、1~2車線使用できるというのは、支援に中警察署の協力があるからです。いろいろな方の協力で成り立っている大会だと改めて感じます。
コースの景色としては、全て大通りを走るため似たような感じにはなるのですが、「久屋大通」を北上していき、「桜通」を左折し、「錦通」まで南下していった先がゴールとなるといった具合になります。
名古屋に住む方なら誰もが知る道の名前ばかりですよね。そして、ゴール付近の様子の写真です。1人ずつゴールテープの用意をしてくれています。私は先頭集団から完全に遅れをとり、雰囲気としてはトップになった感覚を味わえました(苦笑)
実際に走ってみた(参加した)感想
沿道の雰囲気は?
一番印象的だったのが、ボランティアの方の人数がすごいということです。大会関係者の方に伺ったところ、選手の人数の倍のボランティアの方がいらっしゃるそうです。支援や協賛の方を含めた、いろいろな方の協力があって成り立つ大会ということで、選手として出た側にとっては感謝しかありませんね。
中でも、走行中の雰囲気にはものすごい熱気があります。約700mのコースになるわけですが、5m間隔くらいでボランティアの方が応援してくれています。逆に少しプレッシャーを感じますが(笑)
沿道のボランティアスタッフはほとんどが学生で、至学館高校・桜花学園高校の生徒達だったと思います。高校生らしい元気な声援に後押しされました。ありがとうございます。
車イスで走るのって難しいの?
また、車イス走行での700mという距離はどんな感覚なのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、結論から言うと、めちゃくちゃきついです!
これはコースにも大きく左右されるわけですが、健常者の普通のマラソンですと、上り下りの坂以外は大して難易度の差を感じないと思います(少なくとも私はそうでした)。
車椅子の場合ですと、ちょっとした勾配でも真っすぐ進むのにかなり力を必要とします。今回のコースは公道であり、しかも車道の左側を走り続けるため、左手・左腕への負荷は想像を絶するものがあります。
以前走った海津市マラソンのコースは整備されたコースでしたので、2kmという距離でしたが、今回の700mの方が間違いなく手ごたえがあります。また、私は病気をする前に10kmマラソンに何度も出場していましたが、これまた今回の700mの方が明らかにきついと感じました。
走る道の勾配によって、負荷や難易度は大きく変わってくると思います。見ているだけでは分かりづらいので、皆さんにも是非体験してもらいたいと思いますし、パラスポーツを応援する際に、そういったことにも視野を広げていただくと、より楽しむことができるのではないかと思います。
私自身は、健常者のマラソンと車椅子のマラソンの両方に参加することによって、身をもって体感することができました。
来年への意気込みは?
ゴールした後は、ふらつきがすごくて失神ぎみでした。気持ち悪くて吐く寸前になってしまい、結局、臨時救護室でかなり長いこと横になることになってしまった。
僕の場合、座る時間が長くなるだけで、ふらつきなどがひどくなってしまいますが、それだけが原因じゃなかったと思っています。今の生活状態で、あれだけ力むことはないので、圧をかけ続けるのは相当な負担なんだなと感じました。
走行中に既にやばさは感じていましたが、なんとか気合いだけで動けていたのですが、やはりゴールした後にそのつけがきてしまったようです。
ただ・・・、無理していなかないと前に進めないんですよ!この4年間もその繰り返しで、今の状態までこれたという事実があるので。
迷惑かけてしまうので考えながらやっていかないといけないけど、自分の限界を広げるためにも、来年も挑戦させていただきたいと思っています。
そして、来年は絶対上位にくいこんでやる!!今回はほぼビリということで悔しかったです(現状ではこれが限界でした)。
最後に、今回の大会でいただけるものの紹介です。
参加賞でタオルがもらえます。けっこうかっこいいデザインじゃないですか?
また、完走証もいただけます。ただし、計測チップ制ではないので、ゴール地点にあるタイマーを確認して、各自後から完走証に記入します。なかなか独特ですよね(笑)
参加費が無料ですので、参加賞がもらえるだけでもありがたいです。
以上、「名古屋シティハンディマラソン」の大会概要や雰囲気、実際に参加してみた感想などをお伝えしました。
定員が多くはないので簡単に参加はできないかもしれませんが、栄という繁華街で行われている大会ですので、皆さんにも是非応援にかけつけていただけたらと思います。啓発活動の一環としての大会でもあるので、足を運んでいただくだけでも十分、社会貢献活動に参加したことになると思います。
また、障がいのある方にとっては、車椅子の自走ができない方でも、電動車いすクラスや介助者付クラスもありますので、街中に出るきっかけにしていただきたいです。
本日の記事が、こういった大会があることを知るきっかけに、また、社会貢献への参加をするきっかけになってくれたら嬉しく思います。