こんにちは、ゴローです。
皆さんはALSという難病を知っていますか?
「あした笑顔で〜難病”ALS”生きる挑戦」という番組が、東海テレビで放送されました。生きるという挑戦をしている人たちを取材した番組です。
僕自身は、自分が病気をしたことがきっかけでALSという病気も知ることになりましたが、難病がありながらもいろいろな挑戦をする人たちに触れることは、誰にとっても刺激をもらえると思います。
本日の記事では、今回の放送を見て感じたことも含めながら、ALSという病気について書いていきたいと思います。
前半は、ALSという病気そのものについて。
後半は、ALSに関わる人達やイベントについて。
最後に、ALSという病気に触れることで、我々は何を学べばいいのか?どんな行動をとっていけばいいのか?について、自分の意見を述べていきます。
Contents
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?
少しずつですが知名度が上がってきたと思われるALS。
皆さんも「ALS」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。正式には、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)という病名になります。
筋肉の萎縮と、筋力低下をきたす神経変性疾患で、アルツハイマー病やパーキンソン病と同じ疾患群になります。
運動ニューロン病の一種で、簡単に言ってしまうと、運動神経細胞がおかされてしまって、体がだんだんと動かなくなってしまう病気です。
日本国内では、1974年に特定疾患に認定された指定難病にもなっています。
ALSの原因・治療法は?
結論から言ってしまえば、原因も治療法も未だ見つかっていないというのが、この病気の辛いところでもあります。
神経の老化と関連がある、興奮性アミノ酸の代謝に異常があるなど、いろいろな学説があるそうですが、結論には至っていないのが現状です。
リルゾールという薬や、筋肉や関節の痛みに対してはリハビリテーションを行いますが、あくまでも対処療法ということで、根本的な治療法や治療薬があるわけではありません。
僕自身も経験していますが(違う病気で)、原因が分からない・対処療法しかないというのはもどかしいものがありますね。
ALSの症状は?
脳からの命令・伝達がうまくいかず、筋肉の萎縮・筋力の低下が起きてしまうというのが大きな症状になります。
初期症状としては、上肢型・下肢型・球麻痺型・呼吸筋麻痺型に分けられるそうですが、要は全身の筋肉に支障をきたすということです。
手足が動かしづらい、動かなくなるだけでなく、声を出せなくなったり、飲食ができなくなるというのは想像を絶する辛さがあると思います。
症状が似ているため、よく筋ジストロフィーと間違われることもありますが、筋ジストロフィーは、筋肉そのものに原因がある病気です。一方ALSは、神経系(運動ニューロン)に原因がある病気ということになります。
また、ALSは高齢者に急増しているなどと最近では言われているようですが、僕が知る限りでは、同世代の20代~40代に多い氣がします(メディアなどで取り上げられやすいため、そういった印象があるのかもしれませんが)。
年齢や進行速度なども様々です。初期症状に関しても、普段から腰痛や肩こりなどを我慢している方が多いという情報もありますが、やはり個人差があります。
ALSに限らず、どんな病気でも原因・症状・治療法などには個人差があると思いますので、あまり「何か」を決めつけてしまうのはよくないことだと思います。
決めつけてしまうことで、いろいろな可能性・選択肢を減らしてしまうことは非常に危険でありもったいないことだと思っています(自分が病気して、よく感じることです)。
そういった個人差がある中、また、治療法なども確立していない中、
少しでも多くの人がこの病気を知って関心をもち、ALSの研究が進められ、1日も早く治る病気になる日が来ることを願って、あるイベントが毎年開催されています。
続いては、そんな想いのこもったイベントについて紹介していきます。
みんなでゴロンしよう!(世界ALSデーin Nagoya)
日本を代表する、ALSに関するこのイベント。
世界ALSデー(6月21日)の付近に毎年行われています(2020年は中止)。
体力の関係でなかなか行くことができなかったのですが、僕自身も、昨年(2019年)初めて参加することが出来ました。
2014年にアメリカ合衆国で始まった、ALSの支援運動である「アイスバケツチャレンジ」というものがあります。これにより、ALSという言葉が世界中に広がりました。
ALSという難病に、多くの人が関心を持つことで研究が進み、治療法が早く見つかって治る病気になることを祈り、世界中でさまざまな活動が行われています。
「世界ALSデーin Nagoya みんなでゴロンしよう!」もそのひとつで、日本国内においては最大級のイベントの1つが、愛知県で毎年行われているわけです。
このイベントの最大の特徴が、みんなで5分間だけ一緒にゴロンと寝転ぶといったものがあります。
身体が動かないとはどういうことなのか?ALS患者の気持ちを、身をもって体験してみようということです。痛くてもかゆくても体を動かせない。体験することで、その大変さを実感することができると思います。
それでは、このイベントにおいて、さらにはALSの普及活動において活躍する、欠かすことのできない方達を紹介していきます。
平野裕加里さん
元中部日本放送(CBC)のアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍されています。そして、このイベントにおいて、総合プロデューサーの立場にある方です。
昨年参加した際、平野さんのゴロンイベントに対する想いに触れて、強く心を動かされました。病気を治すのは(向き合っていくのは)、医学というハード面だけではなく、ソフト面も非常に大切であると感じました。
そして、非常に気さくな方で、このイベントに関わる人達がその人望を語っています。ALSという病気に対してのキーパーソンであることは間違いないです。
立浪和義さん
中日ドラゴンズで活躍された、野球殿堂入りもされている元プロ野球選手です(写真左:立浪和義さん・写真右:平野裕加里さん)。今さら説明不要かと思いますが(笑)
立浪さんの高校時代(PL学園の選手として甲子園で春夏連覇)のチームメイトである、伊藤敬司さんがALSを患っています。その伊藤さんが、眼球のみで文字盤を追うことでまとめあげた闘病記「PL学園最強世代」を、日本中の図書館へ寄贈する「ALS闘病記図書館寄贈プロジェクト」ということを立浪さんは行っています。
「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」
皆さんも一度読んでみて下さい。
余談にはなりますが、僕が初めて好きになった野球選手が立浪和義さんであり、野球を始めるきっかけになった方でもあります。
こういった影響力のある方が、ALSの普及活動を行っていただけるのはありがたいことであり、立浪さんのお人柄を感じると同時に、こういう人だからこそ野球界であれだけの活躍が出来たんだろうなと感じます。
武藤将胤さん
2013年の26歳のときにALS を発症し、翌年27歳のときにALSと宣告を受けました。
「EYE VDJ」という、目の動きを感知するメガネを使って、音と映像を自由自在に操るアメージングなライブを繰り広げます。遠景の写真になってしまいますが、昨年のイベントでもステージで活躍されていました。
また、一般社団法人WITH ALSの代表理事でもあり、「あした笑顔で〜難病”ALS”生きる挑戦」番組の中でも、挑戦する人が多い世の中にしたい、と語っていました。
そんな武藤さんの生き方にふさわしい「KEEP MOVING 限界を作らない生き方:27歳で難病ALSになった僕が挑戦し続ける理由」という著書も出版されています。
立川俊之さん(大事MANブラザーズ)
言わずと知れた名曲「それが大事」が大ヒットした、大事MANブラザーズバンドのボーカルです。
イベントでは、立川さんのミニライブも開かれます。あの名曲の歌詞は、このイベントにぴったりで、僕自身も病気をしてから大事にしている言葉でしたので、生で聴けるなんて最高でした!
恩田聖敬(さとし)さん
JリーグFC岐阜の運営会社である、株式会社岐阜フットボールクラブの元社長です。
社長に就任した同年(2014年)、ALSを発症しました。その後2016年に退任するも、同年、株式会社まんまる笑店の代表取締役社長に就任するというアグレッシブな方です。
寝たきり社長として有名な佐藤仙務(ひさむ)さんと、著書「2人の障がい者社長が語る絶望への処方箋」を出版されています。
吉藤オリィさん(吉藤健太朗)
最後はもちろんこの人!ALSとは切ってもきれない救世主。
分身ロボット「OriHime」を開発したことで有名な、ロボットコミュニケーターであり、株式会社オリィ研究所の代表取締役所長です。
本名は吉藤健太朗ですが、一般的にはオリィさんと呼ばれています。
AERA「日本を突破する100人」や、米国フォーブス誌「アジアを代表する青年30人(30 Under 30 2016 ASIA)」などにも選出され注目を浴びている方です。
「人間の孤独を解消する」を合言葉に、OriHime(オリヒメ)などを開発しています。ALSなどの病気で、行きたい場所に行けなかったり、会いたい人に会えなかったりする方の、まさに孤独を解消することに成功していることになります。
そんなオリィさんは、ゴロンのイベントにも毎年参加されているということで、僕は昨年会うことはできなかったのですが、いつか会ってみたいと思っています。どうも同時期に同じ大学に通っていたという縁もあるようですし(笑)
そんな吉藤オリィさんの生き様やメッセージを、「孤独は消せる。」・「サイボーグ時代」の2冊の著書から学ぶことができるので紹介しておきます。
ALSを知る・学ぶことで、日常にどう活かす?
ここまでALSという病気やイベントについて紹介してきましたが、ALSを知ることで我々を何を学べばいいのでしょうか?どう行動していけばいいのでしょうか?
まず1つ言えることは、ALSを知ること自体が、既に応援になるということです。
「あした笑顔で〜難病”ALS”生きる挑戦」番組の中で立浪さんも言っていたように、多くの人がALSを知ることが治すための近道になっていくからです。治療薬が開発されるかもしれないし、いろいろな情報も集まりやすくなると思います。
そして何より大切なことは、ALSに限ったことではないですが、こういった病気があるということ・こういった病気を患うことで行動を制限される人がいるというのを知ることで、我々を「今をもっと大切にする」べきなんです!
障がいとかもそうですが、「突然」・「誰にでも」こういった病気になる可能性があるわけです。なってからじゃないと氣づけないことっていっぱいありますが、ALSという病気を知ったことで、自分自身のありがたさを感じたり、今やりたいことをやろう!と思うきっかけにしてほしいと思います。
僕の友達も感じてくれていると思うけど、あの活発だったGoroがこんな病気に!?となっているはずです。ALSの人も、僕は今の姿しか知りませんが、きっと病気する前は普通に元氣に暮らしていたんだと思います。
人と比べることはよくないけど、それでもALSの人たちと比べたら、僕なんてまだまだ贅沢な状態で、いろいろな事がやれるんですよね。甘えてなんていられないし、今できることに感謝して、一生懸命楽しんでいきたいと思います!
ホント、いつ・誰に・何が起きるかなんて分からないですからね。
この記事を読んでくれた方にとって、今を大切に、今を頑張ろう!と思っていただけるきっかけになってくれたら嬉しく思います。
本日紹介しきれなかった、ALS患者からのメッセージを受け取ることができる良い著書が他にもたくさんありますので、読んでみると元氣がわいてくると思います!