ドラマ映画の名言・名シーン

ドラマ「恋です!ヤンキー君と白杖ガール」の名言・名シーンから学ぶ、視覚障害への理解と生きづらさ克服のヒント

こんにちは、ゴローです。

本日の記事では、現在放送中のドラマ「恋です!ヤンキー君と白杖ガール」の名言・名シーンについて書いていきます。

弱視(視覚障害)の盲学校生ユキコと、ヤンキーだけど純粋な心の持ち主黒川森生が繰り広げる、新感覚の恋愛ドラマです。

今回このドラマを取り上げたかったのは、笑いあり涙ありの中で、視覚障害への理解も深めることができるドラマだからです。

基本的には、黒川が純粋すぎて笑えるシーン満載のドラマなのですが、だからこそ、楽しみながら氣軽に(といった表現が正しいのかは分かりませんが)学ぶことができます。

それは、ただ単に視覚障害への理解を深めるだけでなく、他の障がい者に対してももちろんのこと、全てのマイノリティについて考えるきっかけになると思います。

「ハンデ」がありながらも、いろいろなこと(恋愛も含め)に挑戦していくユキコと森生の姿からは、全ての方が勇氣をもらえるドラマになっていると思います。

かなりの長文ですが、読んでいただけたら嬉しいです。

 

杉野遥亮(黒川森生) → 杉咲花(赤座ユキコ)への言葉・名言(1話)

俺とゆきこさんじゃ、住む世界が違うじゃないですか。

だって、ユキコさんは、普通の世界で生きてるじゃないですか。

普通に学校行って勉強して、普通に人とコミュニケーションがとれて。ヤンキーの黒川には、これが「普通」に感じたようです。

目が見えないことにコンプレックスを持っていたユキコにとって、自分が「普通」と言われたことが嬉しかったんですよね。

この2人のやり取りは、僕たちが普段から感じている「普通」といったものに対して、考えるきっかけになるのではないかと思います。

 

杉咲花(赤座ユキコ) → 生見愛瑠(めるる)(橙野ハチ子)への言葉・名言(2話)

じゃあ、持てば!持ってみればいいじゃん、白杖!

白杖だって、同情されたくて持ってるわけじゃないから。

ユキコに対して、ハチ子が「私もこれ(白杖)持ちたいなあ」と発言。

これに対して、怒ったユキコの言葉がこれでした。ユキコからしてみれば、白杖を持つことで、自分はもう普通じゃなくなるんだっていう辛い経験をしてきました。

その白杖を持ちたいなんていうハチ子の言葉が許せないのは当然ですよね。そんなことを言ってしまうハチ子の背景も、この先分かっていくことになるのですが…。

余談ですが、めるるの演技うますぎませんか!?バラエティで見ている限り、こんなに素直で良い子っている?って感じの明るくて面白い子なわけですが、ドラマの中ではめちゃくちゃ嫌なやつに見えるわけですよ(笑)

顔まで性格悪そうに見えてくるので、めるるの演技うますぎ!といつも驚かされています。同じ愛知県民として誇りに思いますね(笑)

 

田辺桃子(柴村空) → 細田佳央太(青野陽太)への言葉・名言(2話)

白杖持つって、視覚障害の自分を、認めるってことだからね。

ユキコが通う盲学校の同級生2人の会話です。

白杖が無いと生活できないにも関わらず、白杖をホントは使いたくないという葛藤を表している言葉だと思います。

ユキコのように後天性の障がいの場合は特に、自分が障がい者ということを認めなくてはいけない辛さがあったと予想できますよね。

僕の場合も、レベルは違う話だけど、車いすを使うことに抵抗が全く無かったかと言えば、そんなことはありませんでした。僕の場合は歩くことができる車いすユーザーですし、車いすのおかげで行動範囲が広がったありがたいモノでもあるわけですが、それでも多少の葛藤はやはりありましたので。

 

杉野遥亮(黒川森生) → 杉咲花(赤座ユキコ)への言葉・名言(3話)

今まで何気なく目で見てても、気付かなかったことが、たくさんあるんですよね。

それに気付けて、なんか嬉しかったんです。

ゆきこさんの気持ち、少しだけ分かった気がします。

ユキコの気持ちを少しでも分かりたいと、目隠しをして日常生活を送ってみた黒川の優しさと可愛さが伝わってくるシーンですね。

と同時に、僕たちが何気なく過ごしている日常の中にも、意識することで見えてくれる幸せがあるということを、教えてくれているシーンでもあると思います。

黒川みたいに目隠しまではしなくてもいいと思いますが、皆さんも是非、何氣なくではなく、「意識して」自然や青空などを見てみる時間を作ってみてはいかがでしょうか。

 

杉咲花(赤座ユキコ)と奈緒(赤座イズミ)の、愛ある姉妹の感動名シーン(3話)

ユキコ、ちゃんと現実を見なさい!

あんたは、人とは違うんだから!

姉妹で喧嘩になった際に、思わず姉のイズミが発してしまった言葉。「人とは違う」きっとユキコが一番言われたくなかった言葉だったでしょう。

誰よりも、妹のユキコのことを想っているイズミだからこそ、感情的にもなってしまうわけで、思わずこんな言い方をしてしまったという感動シーンだと思います。

お姉ちゃんは、私が不安のかたまりにしか見えないの?

私が見えなくなってから、私のことちゃんと見ようとしてくれないじゃん!

誰よりも私のこと、腫れもの扱いしてんの、お姉ちゃんだよ!

そんなイズミの言葉に、感情的に発したユキコの言葉がこちら。

誰よりもユキコのことを想っている姉だからこそ、心配しすぎちゃうんですよね。でも、だからこそ相手の成長を妨げてしまうということは、親子間や男女間でも当てはまることだと思います。

「誰よりも腫れもの扱いしてる」なんて言われたイズミはショックだったことでしょう。でも、誰よりも自分のことを想ってくれている人もまた、イズミだということを、ユキコは分かっていながらも、思わずこんな言い方になってしまったんですよね。

個人的には、このドラマの最大の感動名シーンの1つだったのではないかと思います。2人の演技がうますぎて、その後の靴を買うシーンなども含め、表情だけで2人の想いが、画面越しに視聴者に伝わってきましたよね。

 

岸谷五郎(赤座誠二) → 奈緒(赤座イズミ)への言葉・名言(3話)

逃げたい時は、逃げ出してもいいんじゃないか?

家族に縛られすぎてちゃ、息がつまるだろ。俺もいるんだから。

俺は、イズミもユキコも、同じように幸せでいてほしいと思ってる。

ユキコのためにと、自分のことも犠牲にしてしまっているイズミの苦しさを感じ取って、父親の誠二がかけた言葉です。

このドラマの中で、お笑い担当として登場してくる父親ですが(笑)、大事な時には俯瞰的な意見をくれる、懐が深い優しさを感じさせてくれたシーン・言葉だったと思います。

 

濱田祐太郎(お笑い芸人)(解説コーナーの案内人)の言葉・名言(5話)

(コーヒーカップやスプーン・テーブルやイスなどの)道具を使うのは当たり前のことですよね。

ですが、白杖や車いすを使うと、障がい者の器具みたいに、特別な目で見られることが多いんです。みんな、自分にとって便利な「道具」を使ってるだけなんですけどね。

1話に一度ずつ登場するのが、盲目の漫談家である濱田祐太郎さんです。

自らの体験談も交えながら、視覚障害のあるあるや道具の紹介などをしています。「スマホアプリ(映画の音声ガイド)」や「拡大読書器」などの説明で登場し、僕自身も含め視聴者の皆さんが、視覚障害への理解に繋がるので良いコーナーですよね。

中でもこの5話の言葉を選んだのは、僕自身の経験からも、「車いすという道具」を使っている時は、特別な目で見られることが多いからです。でもそれは、時に助けてもらったりするのでありがたいことでもあるのですが、(やっぱりそれだけではない部分もあるので)白杖や車いすが、より自然に街中に溶け込んでいる世間になってくるといいですよね。

「まあ、どっちか迷ったら、笑って下さい。」← これは、僕の言葉ではなく、このコーナーで濱田さんが毎回オチで使うフレーズです。

僕は毎回どっちか迷うので、一応笑っています(笑)

 

生見愛瑠(めるる)(橙野ハチ子) → 杉咲花(赤座ユキコ)への言葉・名言(5話)

私、小さい頃から人とうまく付き合えなくて、どこ行ってもうまく溶け込めなくて、それをいつも、なんで出来ないんだ!って、怒られたりバカにされてきて。

でもユキコさんは、白杖持ってるだけで、出来ないことがあっても許されて、周りから優しくしてもらえる。ズルいって!

ユキコに冷たい態度を取っていた、ハチ子が本音をぶつけたシーンです。

これも考えさせられる言葉だなって思いました。

「白杖持ってるだけで、周りから優しくしてもらえて」言ってる内容は一見ひどい氣もしますが、こういった発言が出てくるハチ子の背景を考えるとグサッときませんか?

「目に見えない病気・内部障害」ってあるんですよね。見た目は普通にしか見えないからこそ、理解されないことがあるということを、僕自身も病気になって初めて、周りが少し見えるようになったのかなと思います。

例えば僕の場合は、車いすに乗っている時は「普通」には見えないと思うんです。それこそ歩けない人と見られるわけですが、実際には歩けるわけです。

逆に、カフェなどでイスに座っている僕は、「普通」に見えるというか誰の目にも止まらないと思うんです。でも実は、車いすに乗っている時よりも体調が悪くて、今にもぶっ倒れそうでやばい!なんて時もよくあるんです。そういうことなんです。

まあ、ぶっ倒れそうになるまで、カフェで座るという実践的リハビリしとるんじゃねー!っていう話なのかもしれませんが(笑)

まあ、どっちか迷ったら、笑って下さい。

 

古川雄大(茶尾店長) → 大友花恋(紺野バイト)への言葉・名言(5話)

職場ってさ、できる人ができない人をカバーして教えていく。

キレイごとに聞こえるかもしれないけど、僕は働くスタッフを一人も取りこぼさない。そうゆう店にしたいと思ってるんだよね。

ユキコが初めてのバイトをしているお店、BBバーガーの店長の言葉。

視覚障害があるため、周りと同じように仕事ができないユキコに強くあたってしまった紺野に対して、店長が職場の在り方を教えるシーンです。

障がい者どうのこうのではなく、上の立場の人がこういった理念で働いている職場はいいですよね。ユキコに対しても、きっと何か新しい風を起こしてくれるにちがいないと、雇うことにしたわけです。

 

大友花恋(紺野バイト) → 杉咲花(赤座ユキコ)への言葉・名言(5話)

みんな、字が小さいのが当たり前だと思ってたから、気が付かなかった。

あなたの提案のおかげで、それが分かった。私たちに関係なくなかった。

注文票に書かれた文字が小さくて見づらいと訴えたユキコ。1人のために文字の大きさを変えるのは…と苦言を呈していた紺野だったが、結果的に、文字を大きくしたことでユキコだけでなく他の従業員のミスも減りました。

「当たり前・普通」を見直してみることの大切さを感じさせてくれるシーンでしたね。また、この一連の出来事を、素直にプラスに感じ取ることのできた、紺野の人柄も垣間見えたシーンだったとも言えますね。

まさに店長の狙い通り、ユキコが働くことで、職場全体に新しい風が起きたのです!

 

鈴木伸之(金沢獅子王) → 杉野遥亮(黒川森生)への言葉・名言(5話)

しっかりしろ森生!どんな過去があろうが、そっからは逃げらんねえぞ!

好きな人と想いが通じ合うなんて、奇跡みたいなもんだろ!

奇跡、ムダにすんなよ。

母親に捨てられた過去があり、ユキコにもいつか捨てられるかもしれないと考えてしまう黒川に放った言葉。

普段は喧嘩ばかりしている友人への、熱い氣持ちがこもったシーンでした。

「奇跡ムダにすんなよ」この言葉の重み、ひょっとしたら6話以降でさらに明らかになるかもしれません。獅子王がもし、黒川に友情以上のモノを抱いているとしたら、好きな人と想いが通じ合うことが奇跡なのかもしれません。5話終了時点の勝手な憶測ですが。

 

杉咲花(赤座ユキコ) → 杉野遥亮(黒川森生)への言葉・名言(8話)

私、ずっと諦めてたんだよね。

私も、好きなことやりたいって思っていいよね。

なんか楽しくなってきた。

飲食業界で働きたいと思いながらも、視覚障害になったことで、最初から諦めてしまっていたユキコ。黒川に言われた「素直で単純な」言葉により、勇氣をもらうことに。

ユキコの想いを受け、黒川は単純に「やればいいじゃないですか、好きなこと。えっ、なんでダメなんですか?」って思ったわけです。

自分で勝手に決めてしまった、無理だという「限界のライン」。いい意味で単純でバカな黒川だからこそ、そんな限界ラインを簡単に打ち破ってくれるんですよね。

障がいを負ったり病気になったりすると、「好きなことをやりたい!」って言っちゃいけない氣がしちゃうんですよね。多くの人がユキコと同じ考えを持つと思うし、僕自身も知らず知らずのうちに、勝手な限界を作ってしまっていると思います。

でも、本当に自分のやりたいコトをやってみよう!って思った時、ユキコのように「なんか楽しくなってきた」という素直な想いが湧き出てくると思います。もちろんこれは、障がい者へ病人にだけ当てはまるわけではなく、全ての人にとってですよね。

 

杉野遥亮(黒川森生) → 鈴木伸之(金沢獅子王)への言葉・名言(10話)

獅子王、照れんじゃねえか。

なんて言うのが正解なんだ。

ごめん。いや、ありがとうだな。

最終回の中で、いや、このドラマを通して最大の名シーン・名言だったと言えるかもしれませんね。

喧嘩友達でもあり、今まで男の友情だと思っていた獅子王から突然想いを告げられた時の、森生の返しの言葉がこれです。

あまりにも自然な返しをする森生は、やっぱり森生だな!って感動した人も多かったのではないでしょうか。突然の告白に驚いたものの、それは決して「男が男を好き」ということに対してではなく、単純に今まで気が付かなかったことに対してでした。

「すげえな、森生は。」獅子王のこの言葉に、森生の人間としてのすごさ・かっこよさが集約されていますよね。それは、(視覚障害のある)ユキコに対してかつて口にした、「ユキコさんは普通の世界で生きているじゃないですか」と同じ意味だったと思います。

「普通」というのは、人それぞれ感じ方も違いますし、あくまでも多数・少数という数の世界で生まれてくるだけのモノなんですよね。まさに、このドラマで一番伝えたかった部分なのではないかと思います。そういった意味でも、最大の名シーンでした!

 

鈴木伸之(金沢獅子王) → 杉野遥亮(黒川森生)への言葉・名言(10話)

俺はずっと、こうでなきゃっていう鎖にしばられてた。

周りの目が気になって、ホントんとこ、自分が何が嫌で、何が嬉しいのか、見失いそうになってた。その時支えだったのが、想い人がいるということだった。

森生に想いを告げたあと、ホッとした獅子王の言葉がこちら。

「こうでなきゃっていう鎖」こそが、僕たちが勝手に決めつけてしまっている「普通」と同義語なんですよね、ここでは。なんか、現代文のテストみたいになってきたな(笑)

障がいやLGBTといった大きな議題でなくとも、自分の中の鎖にしばられてしまったり、周りの目が氣になってしまうことは多いと思います。この獅子王の言葉や想いにもまた、思わず共感してしまいました。

 

岸谷五郎(赤座誠二) → 杉咲花(赤座ユキコ)への言葉・名言(10話)

見えてても、見えなくても、みんな多かれ少なかれ、誰かに頼んなきゃ無理だ。

誰かと一緒だと、出来ることが増えて、世界が広がるだろ。

頼れる人がいればいるほど、出来ることが多くなる気がする。

この言葉も、今の僕にとっては特に、グサッとくる言葉でした。

誰かに頼るって、簡単そうに見えて意外と難しいんですよね。それはユキコの父さんが言うとおり、障がいや病気なんて関係なく。

ましてや病気になった今の僕にとって、何か新しいことに挑戦するためには、人の助けが必要になります。誰かに頼ることをためらうというのは、逆にそれは、自分に言い訳を作って挑戦しないということでもあるわけです。

口で言うほど簡単なことではないですが、人に頼ることで新しい世界を広げていけたらいですよね。それはきっと、頼られた相手の世界を広げることにも繋がるわけですから。

 

杉咲花(赤座ユキコ)と杉野遥亮(黒川森生)の、最終回最後の感動名シーン(10話)

これが俺の夢です!

俺がやりたいことって、ユキコさんと一緒にいることなんで。

ユキコが本当にやりたいこと(調理)を仕事としながら、ユキコとも一緒にいられる。黒川がそんな答えを導き出したのが、キッチンカーでした。

ユキコと一緒にいること、それが黒川の夢、素敵じゃないですか。でもそこには、ただ一緒にいるという意味だけではなく、「一緒に世界を広げていく」という意味合いが含まれていることと思います。

なんで先に言うんだよ。言おうとしてたんだ。

私は、黒川といる時が一番楽しくて、世界が広がる。

だから、私は黒川と一緒にいたい。

ユキコも同じ気持ちでした。

黒川と一緒にいる時が一番楽しい。なぜなら、黒川と一緒にいることで自分の世界が広がるからです。そしてそれは、黒川の世界を広げていくことにも繋がっているわけです。

完璧な最終回、完璧な最後のシーンだったと思います!

 

目が見えなくとも、いろいろな事に挑戦していくユキコの姿には、勇気をもらった視聴者の方も多かったことと思います。

そして、それを支えていたのが、数ある黒川の言葉でした。黒川という人間は「純粋」そのものです。だからこそ、最初から出来ないという選択肢も無いし、「先入観」といったモノもないのです。だからこそ、純粋な想いから出てきた言葉が、ユキコの背中を自然に押していってくれたわけです。

ただの恋愛ドラマというわけではなく、1人の人間として素敵な2人が、お互いの背中を押し合いながら成長していく姿が素敵なドラマだったと思います!

そしてそれは、何度も言っているように、障がいや病気など関係なく、全ての人の背中を押してくれるドラマになってくれたのではないでしょうか!?

 

原作コミック「ヤンキー君と白杖ガール」(原作者:うおやまさん)

漫画の世界観、ドラマとはまた違った面白さがあります。いきなり全巻買ってみても後悔はないと思いますが、まずは是非とも、1巻を手に取ってみて下さい!

1~6巻まで買うこともできますよ!

そして早くも、ドラマの「Blu-ray BOX」の予約も始まっています。

特典もついてくるようですので、こちらも楽しみですね!

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